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受賞

野呂篤史講師が2022年度日本レオロジー学会技術賞と第35回日本ゴム協会賞を受賞されました

当センター 野呂 篤史 講師 (工学研究科 有機・高分子化学専攻)が日本ゼオン株式会社との共同研究の成果について、日本レオロジー学会より「2022年度日本レオロジー学会技術賞」を、日本ゴム協会より「第35回日本ゴム協会賞」を共同受賞しました。

◆研究概要

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(総長:杉山 直、以下、名古屋大学) 大学院工学研究科の野呂 篤史 講師(未来社会創造機構 マテリアルイノベーション研究所及び脱炭素社会創造センター兼務)らの研究グループは、日本ゼオン株式会社(代表取締役社長 田中 公章、 以下、日本ゼオン)との共同研究で、日本ゼオンが上市している熱可塑性エラストマーQuintacⓇに化学修飾を施すことで、「強靭な官能性スチレン系熱可塑性エラストマー」を開発しています。特にイオン性官能基を導入したものでは、引張強度、タフネス、耐衝撃性が、官能基未導入のものと比べて3倍以上の値を示すことが分かっています。

この共同研究成果に対して、2報の査読付き論文を共同発表、さらに国内外で複数の特許が成立し、国際的な産業競争力も有していることから、「2022年度日本レオロジー学会技術賞」及び「第35回日本ゴム協会賞」を共同受賞することになりました。発表済みの本共同研究成果に関する査読付き論文は、
・査読付き論文1(https://doi.org/10.1021/acsomega.1c05609
・査読付き論文2(https://doi.org/10.1016/j.polymer.2021.123419
で、インターネットで公開されています。

熱可塑性エラストマーは、室温においてプラスチックとして振る舞う成分と、ゴムとして振る舞う成分とを化学的に繋いで得られる高分子材料です。室温では天然ゴムや合成ゴムと同じように利用できる一方、プラスチックのような熱加工性も有しており、粘接着剤を始めエラスティックフィルムなどの用途で利用されています。野呂講師らと日本ゼオンが共同で開発している官能性スチレン系熱可塑性エラストマーは軽量でありながらも強靭な材料です。そのため、強靭性の求められるモビリティ分野等での利用だけでなく、その軽量化や省エネルギー、脱炭素化にも寄与すると期待されます。

◆2022年度日本レオロジー学会技術賞及び第35回日本ゴム協会賞について

日本レオロジー学会技術賞はレオロジーを含む技術(工学、工業化技術を含む)に関して特に顕著な業績のあった者に授与される賞で、1996年より日本レオロジー学会より授与されています。 日本ゴム協会賞はゴム及びその周辺領域における科学・技術又はその産業分野の発展に寄与し、その業績が極めて顕著な者に授与される賞で、1989年より日本ゴム協会から授与されています。

詳細

プレスリリース

研究代表者

大学院 工学研究科 / 未来社会創造機構 野呂 篤史 講師

https://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/html/100002210_ja.html
https://phys-chem-polym.chembio.nagoya-u.ac.jp/member-noro.html

受賞情報

[1]受賞名:2022年度日本レオロジー学会技術賞
   受賞業績題目:非共有結合性相互作用の導入によるスチレン系熱可塑性エラストマーの強靭化技術の開発 
   受賞者:小田亮二(日本ゼオン)、野呂篤史(名古屋大学講師)、梶田貴都(名古屋大学研究員)、橋本貞治(日本ゼオン)   
   授賞日:2023年5月11日

[2]受賞名:第35回日本ゴム協会賞
   受賞業績題目:強靭な官能性スチレン系熱可塑性エラストマーの研究開発
   受賞者:野呂篤史(名古屋大学講師)、梶田貴都(名古屋大学研究員)、小田亮二(日本ゼオン)、橋本貞治(日本ゼオン)    
   授賞日:2023年5月30日

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